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教員からのメッセージ ~ 御園生 裕明 教授

イオンチャネルの機能解明に挑戦する
 私たちは、脳における情報処理の仕組みの理解につながると考え、イオンチャネルの働きを解明する研究を行っています。脳の神経細胞は、基本的に電気信号を使って情報処理を行っています。その電気信号をつくるのがイオンチャネルなのです。たくさんのイオンチャネルが様々な電気信号をつくっているのですが、それぞれが電気信号にどう関わっているかはまだ分かっていません。また、このメカニズムのどこに異常が生じると、てんかんなどの異常な電気信号発生を伴う神経疾患につながるのかも明らかではありません。
 脳の神経細胞には多様なイオンチャネルが発現していますが、私の部門では、まずカリウムチャネルに注目しています。カリウムチャネルはイオンチャネルの中で最も種類が多く、少なくとも25種類が様々な神経細胞に発現しています。私たちは、電気生理学や分子イメージングの手法を使って、特性の異なるカリウムチャネルがどのように神経細胞の電気的活動を制御しているのかを明らかにしようとしています。
御園生裕明 教授
神経疾患や制御・行動との関わりを解析
 遺伝性の疾患に関してはカリウムチャネルが関わっているものが多いのです。私が長年研究してきたイオンチャネルの1つが遺伝性のてんかんや統合失調症にまで関係があることが国内外のグループから、最近報告されました。私たちは、このような神経疾患において、カリウムチャネルがどのように関与するのかを明らかにして、治療法の開発に貢献していきたいと考えています。
 もう1つの目標は、イオンチャネルによる神経細胞の制御がどのように動物の行動を決定しているかを解明することです。例えば、私たちは遺伝子改変モデルを使って、睡眠と覚醒の制御に関わるイオンチャネルを見つけ出しました。マウスからそのチャネルを取り除いてやると、睡眠を妨げることなく覚醒する時間が長く、覚醒の度合いも高くなったのです。
 私たちはもう1つ、イオンチャネルの振り分けの問題にも関心を持っています。神経細胞は非常に大きな細胞で、分子1個が1メートルにも達するものがあります。ところが、神経細胞はイオンチャネルをちゃんと振り分けて、特定の場所にだけ必要なイオンチャネルを配置しているのです。このメカニズムが壊れると、神経疾患につながる場合もありますので、イオンチャネルに蛍光分子をつけて可視化し、最先端の分子イメージングの方法を使って解析を進めています。
知的好奇心の持ち主と一緒に研究したい
 私は元々、文学部心理学科の出身ですが、脳や神経細胞に興味がシフトして、大学院からは生命科学を専門に学びました。大学院修了後のポスドク時代にカルフォルニア大学の研究室で研究員として働いた経験が大きな転機になりました。そこで出会ったイオンチャネルが私の大きな研究テーマになったのです。
 私たちのチャネル病態生理部門には、私と准教授、助教の2人のスタッフがいて、 3人の大学院生を教育しています。大学院生たちは1人はイオンチャネルと小脳の運動制御の研究をやっていますが、後の2人はアルツハイマー病を研究しています。イオンチャネルとは異なった領域ですが、どちらも脳機能の問題ですし、幅広く多様な研究に取り組むのはいいことだと思っています。
 これから脳科学研究科を目指す皆さんに求めるもの、期待するものは知的好奇心ですね。脳科学研究科は学内外の交流も盛んなので、その中で具体的な研究テーマを決めるためのヒントを見つけることができるでしょう。私自身もデンマークや米国、オーストリアなど海外との共同研究のネツトワークをたくさんもっていますので、そのつながりを活用してもらうこともできると思います。
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