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神経膜分子機能部門の森靖典准教授の論文がCommunications Biology誌に掲載されました

'21年8月23日 更新
神経膜分子機能部門の森靖典准教授(現・山梨大学医学部)の論文がCommunications Biology誌に掲載されました。本研究は、福井大学医学部の深澤有吾教授との共同研究で、当研究部門からは森靖典准教授、竹中康一郎さん(大学院生)が参画しました。

シナプス間の情報伝達は、シナプス小胞に貯蔵されたグルタミン酸やGABAといった神経伝達物質がシナプス終末から放出されることによって喚起されます。神経伝達物質の放出は、それらを貯蔵しているシナプス小胞と形質膜の膜融合によって起こりますが、この過程には、3つのSNAREタンパク質(小胞側のSynaptobrevin, 形質膜側のSyntaxin 1とSNAP-25)が強固なタンパク質複合体を形成することが必要です。これらのSNAREタンパク質に構造が類似したタンパク質は、神経細胞以外の全ての細胞にも存在し、ER・ゴルジ体・リソソームといったオルガネラ同士の膜融合過程や、オートファジーの過程で起こる膜融合過程でも重要な働きをしています。これらの非神経系SNAREタンパク質(エンドソームSNAREとも呼ばれる)の多くがシナプス小胞にも存在している事がわかっていましたが、その機能はよく理解されていません。

今回の研究では、エンドソームSNAREのシナプス機能を理解するために、シナプス小胞に存在する8つのエンドソームSNAREタンパク質を蛍光標識して、それらのタンパク質の軸索終末における活動刺激依存的な挙動を蛍光ライブイメージングにより解析を行いました。その結果、海馬由来の培養神経細胞においてSyntaxin-7を含む一部のシナプス小胞は、低頻度刺激では放出に使われず、比較的高頻度かつ持続的な刺激が到達した時にのみ放出されることを見出しました。また、これらの小胞の放出には、カルシウム流入の上昇に伴うカルモジュリンの活性化や細胞骨格を形成するアクチンの重合が必須であることも明らかにしました。

本研究により、シナプス終末に存在するエンドソームSNAREの機能によって、刺激の強度に異なる応答を示す小胞群が形成される可能性が示されました。今後の研究で、シナプス終末に存在する様々なエンドソームSNAREの多様な機能が解明される事が期待されます。

Communications Biology

論文PDF及びSupplementary Fileは、下記をご参照ください。
論文の図
神経膜分子機能部門の森靖典准教授(現・山梨大学医学部)の論文がCommunications Biology誌に掲載されました。本研究は、福井大学医学部の深澤有吾教授との共同研究で、当研究部門からは森靖典准教授、竹中康一郎さん(大学院生)が参画しました。

シナプス間の情報伝達は、シナプス小胞に貯蔵されたグルタミン酸やGABAといった神経伝達物質がシナプス終末から放出されることによって喚起されます。神経伝達物質の放出は、それらを貯蔵しているシナプス小胞と形質膜の膜融合によって起こりますが、この過程には、3つのSNAREタンパク質(小胞側のSynaptobrevin, 形質膜側のSyntaxin 1とSNAP-25)が強固なタンパク質複合体を形成することが必要です。これらのSNAREタンパク質に構造が類似したタンパク質は、神経細胞以外の全ての細胞にも存在し、ER・ゴルジ体・リソソームといったオルガネラ同士の膜融合過程や、オートファジーの過程で起こる膜融合過程でも重要な働きをしています。これらの非神経系SNAREタンパク質(エンドソームSNAREとも呼ばれる)の多くがシナプス小胞にも存在している事がわかっていましたが、その機能はよく理解されていません。

今回の研究では、エンドソームSNAREのシナプス機能を理解するために、シナプス小胞に存在する8つのエンドソームSNAREタンパク質を蛍光標識して、それらのタンパク質の軸索終末における活動刺激依存的な挙動を蛍光ライブイメージングにより解析を行いました。その結果、海馬由来の培養神経細胞においてSyntaxin-7を含む一部のシナプス小胞は、低頻度刺激では放出に使われず、比較的高頻度かつ持続的な刺激が到達した時にのみ放出されることを見出しました。また、これらの小胞の放出には、カルシウム流入の上昇に伴うカルモジュリンの活性化や細胞骨格を形成するアクチンの重合が必須であることも明らかにしました。

本研究により、シナプス終末に存在するエンドソームSNAREの機能によって、刺激の強度に異なる応答を示す小胞群が形成される可能性が示されました。今後の研究で、シナプス終末に存在する様々なエンドソームSNAREの多様な機能が解明される事が期待されます。

Communications Biology

論文PDF及びSupplementary Fileは、下記をご参照ください。
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