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脳科学研究科学生高宮渉吾さん(神経回路情報伝達機構部門)の論文がeNeuroに掲載されました。

'22年6月1日 更新
【研究内容】
聴覚皮質の神経細胞は、それぞれある特定の周波数の音に応答することで、聴覚情報の処理を行っていることが分かっています。また、近年の研究によって、聴覚皮質は音の情報だけでなく、それに付随する行動や報酬の情報もコードしていることが分かってきました。しかし、このような音とそれに付随する行動や報酬を連合学習する過程で、聴覚皮質の神経細胞がどのように活動を変化させるのかは明らかではありませんでした。
今回、研究グループは、音刺激を用いた連合学習課題を考案し、その課題を学習中のラットの一次聴覚皮質から神経細胞の活動を記録しました。この課題では、ラットに音の高低を弁別させ、高音ならば右ポート、低音ならば左ポートを選択すると報酬を与えました(図A&B)。ラットはこの課題を3~5セッションで学習しました(図C)。この課題遂行中の神経細胞の活動を解析した結果、多くの神経細胞が高音と低音のどちらかに対して発火頻度を変化させました(図D: Frequency selective cells)。そして、このような活動を示す神経細胞の割合が学習の進行に伴って増加することが分かりました(図D2)。また、聴覚皮質には、左右ポートの方向と報酬の有無に選択性を持つ神経細胞が確認されました(図E1)。この神経細胞は左右どちらかを選択して報酬を得たタイミングで発火頻度を上昇させました。そしてこのような活動を示す神経細胞の割合が学習中に比べ、学習完了後に増加することが分かりました(図E2)。これらの結果は、連合記憶形成における聴覚皮質の神経細胞の変化を明らかにしたものであり、記憶形成のメカニズムの解明に寄与すると期待されます。

【研究メンバー】
高宮 渉吾(学生)/ 塩谷 和基(立命館大助教)/ 大貫 朋哉(当時−助教、現在−理化学研究所研究員)/ 大迫 優真(当時−学生、現在−MIT研究員)/ 谷隅 勇太(当時−学生、現在−生理学研究所研究員)/ 結城 笙子(東京大学助教)/ 眞部 寛之(准教授)/ 廣川 純也(准教授)/ 櫻井 芳雄(教授)〈神経回路情報伝達機構部門〉
実験内容の図示

論文の図

【研究内容】
聴覚皮質の神経細胞は、それぞれある特定の周波数の音に応答することで、聴覚情報の処理を行っていることが分かっています。また、近年の研究によって、聴覚皮質は音の情報だけでなく、それに付随する行動や報酬の情報もコードしていることが分かってきました。しかし、このような音とそれに付随する行動や報酬を連合学習する過程で、聴覚皮質の神経細胞がどのように活動を変化させるのかは明らかではありませんでした。
今回、研究グループは、音刺激を用いた連合学習課題を考案し、その課題を学習中のラットの一次聴覚皮質から神経細胞の活動を記録しました。この課題では、ラットに音の高低を弁別させ、高音ならば右ポート、低音ならば左ポートを選択すると報酬を与えました(図A&B)。ラットはこの課題を3~5セッションで学習しました(図C)。この課題遂行中の神経細胞の活動を解析した結果、多くの神経細胞が高音と低音のどちらかに対して発火頻度を変化させました(図D: Frequency selective cells)。そして、このような活動を示す神経細胞の割合が学習の進行に伴って増加することが分かりました(図D2)。また、聴覚皮質には、左右ポートの方向と報酬の有無に選択性を持つ神経細胞が確認されました(図E1)。この神経細胞は左右どちらかを選択して報酬を得たタイミングで発火頻度を上昇させました。そしてこのような活動を示す神経細胞の割合が学習中に比べ、学習完了後に増加することが分かりました(図E2)。これらの結果は、連合記憶形成における聴覚皮質の神経細胞の変化を明らかにしたものであり、記憶形成のメカニズムの解明に寄与すると期待されます。

【研究メンバー】
高宮 渉吾(学生)/ 塩谷 和基(立命館大助教)/ 大貫 朋哉(当時−助教、現在−理化学研究所研究員)/ 大迫 優真(当時−学生、現在−MIT研究員)/ 谷隅 勇太(当時−学生、現在−生理学研究所研究員)/ 結城 笙子(東京大学助教)/ 眞部 寛之(准教授)/ 廣川 純也(准教授)/ 櫻井 芳雄(教授)〈神経回路情報伝達機構部門〉
関連書類
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