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研究科の概要

脳のはたらきは人間の実存の根幹であり、その仕組みを明らかにすることは自然科学と精神科学の双方にとって最重要課題です。脳科学の研究成果は、神経・精神疾患の予防と治療や子供の教育方法の改善につながり、特に、脳の発達障害、老化に関わる「発達・加齢」を対象とした脳科学研究は、科学的、社会的意義が高く、この分野を牽引する基礎科学研究者の養成は喫緊の課題でもあります。
我々脳科学研究科の「発達加齢脳専攻」8部門長は、それぞれ、神経回路シグナル伝達制御、神経膜分子輸送、神経発生制御因子、認知行動神経機構、脳回路機能創出、神経計算、神経再生機構、イオンチャネル動態を研究標的として国際的実績を挙げており、脳科学研究科の学位プログラム(教育課程)は、この研究拠点を母体とする5年一貫制博士課程において、次世代を担う研究者を養成することをめざしています。
この目的を達成するために、専門知識、実験技術のみならず、研究者として独立するために必要な、研究戦略・目標設定力、深い思索力、コミュニケーション力等の実力を多面的に鍛えることを教育の主眼とします。本研究科で学ぶ皆さんには、脳科学の研究のみならず、広範な社会的課題の解決に向けた活動を牽引するリーダーとして活躍できるよう、「真の実力」を身に付けてもらいたいと願っています。

脳科学研究科基本情報

研究科名称 脳科学研究科
専攻名称 発達加齢脳専攻
学位名称 博士(理学)(Ph.D.)
入学定員/収容定員 10名/50名
専任教員/部門数 8名/8部門
キャンパス 京田辺キャンパス
(京都府京田辺市:近鉄興戸から徒歩15分、JR同志社前から徒歩10分)

設置届出等の情報

各部門の研究領域と教育組織構成

人材養成目的

脳科学研究科発達加齢脳専攻は、脳機能の本質を科学的に解明することを通じて、世界に通用する実力と広い視野を身に付け、世界の脳科学研究の第一線で活躍できる研究者、我が国がめざす「科学技術立国」を支える基礎研究者、脳科学の研究成果に基づき商品開発や研究戦略を立案できる開発研究者など、研究成果を国際社会に還元し、生命科学、基礎医学分野の発展に寄与する人材を養成することを目的とする。

ディプロマ・ポリシー

知識・技能
  • 自然科学の基礎および脳科学の基本事項と最新知見を学び、それらを活かした最先端の研究活動を遂行するために必要な実験機器を操作することができる。
  • 実験から得られたデータを的確に解析し表現する方法を身につけ、適正なかたちで結果をまとめ報告する研究論文を執筆することができる。
思考力・判断力・表現力
  • 過去の研究から重要な情報を選別し、自己の実験結果を統合して適切な結論を引き出し、その結論の妥当性を考察することができる。
  • 自己の実験結果に関する深い思索を通じ、次の研究に向けたテスト可能な仮説を提唱することができる。
  • 研究内容や成果を正確に、またわかりやすく伝えるための表現力を身に付けることができる。 
主体性・多様性・協働性
  • 積極性と柔軟性を身につけ、国際交流を通じて、異なる文化や価値観を理解しながら共同研究を行うことができる。
  • 様々な研究者との交流を通じて、失敗や逆境にめげない強靭かつ楽天的な精神を身につけ、自己の研究スタイルを冷静に客観視することができる。

カリキュラム・ポリシー

編成・運営方針
  • 次世代の脳科学の中心的な研究者としての使命感を学生に強く自覚させ、その自覚に相応しい自然科学の基礎知識と脳科学の基本事項、および最先端の実験技術を習得させることを教育課程編成の基本方針とする。
  • この方針に基づき、1年次では、科学全般に対する広い視点を持ちつつ、脳科学についての基礎知識を身につけることができるように必修科目を設定する。
  • また同じく1年次では、学部時代の学習内容に応じて自然科学の基礎を学ぶことができる選択科目を設置し、2年次以降は、テーマ別に深い専門的知識を学習できる多様な選択科目を設定する。
  • 将来、世界的なレベルで独自の研究を推進することができるように、1年次~5年次をとおして、多数の研究指導科目を体系的に配置する。
1〜2年次
  • ・必修科目では、脳科学に関する基本事項と最先端の研究例を学びながら、研究の適正な実施と発表に関わる安全と倫理についても履修する。また実験実習をとおして、実験機器の操作法およびデータの解析と表現の基本的方法を習得する。
  • ・選択科目では、学部時代に自然科学の学習が不十分であった学生が、生物学を中心とした自然科学の基礎を学ぶことで、脳科学の基礎と研究例についても十分理解できるようになる。
  • ・研究指導科目では、実際の研究現場において最先端の研究に参加する。それにより脳科学の最新の研究方法と、そこから生じる成果について理解することになり、研究に対する主体的かつ能動的な態度の形成が促される。
2〜3年次
  • ・選択科目では、脳科学の中心的なテーマ別に最先端の研究方法と成果について学び、そこから自己の研究にとって重要な情報を引き出し、実際の研究に活かす方略を考案する力を養成する。
  • ・研究指導科目では、脳科学研究基礎実験において、最先端の研究に参加すると同時に自らの研究についても計画して実施し、自己の実験結果に関する考察力と、次に向けた仮説の構成力を養う。
3〜5年次
  • ・脳科学研究特殊実験において、実際に国際的な共同研究に加わり海外の研究者と交流することで、将来の共同研究を可能とする積極性と柔軟性を養い、同時に研究者としての自己に対する冷静な観察力と、研究に必要な強靭で楽天的な精神を身につける。また、自らの研究成果を論文にまとめ公表する力も養成する。 
研究科の概要
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脳科学研究科外部評価